手ぶらに近い登園、持ち帰らないオムツ──共働き時代の「引き算」保育

保育園を探すとき、多くの家庭がまず保育の質や立地を気にします。それはもちろん大切なのですが、実際に通い始めてから効いてくるのが、毎日の負担の重さです。朝晩の準備、週末の洗濯、行事のたびの休暇調整。こうした小さな負担が積み重なると、働きながら子どもを育てる日々はじわじわと苦しくなっていきます。

園の情報を読み比べていると、この負担の部分にどれだけ向き合っているかは園によってかなり差があることがわかります。こどもの森グループの資料には、保護者の負担を軽くするための具体的な工夫がいくつも並んでいました。今回は共働き家庭のリアルな一日を想像しながら、その中身を追ってみたいと思います。

そもそも保育園の「負担」とは何か

こどもの森グループの資料は、まず一般的な保育園でありがちな負担を率直に挙げるところから始まっています。園の行事が平日にあって参加できない、布団やオムツ、エプロン、口拭きタオルなど持ち物が多い、使用済みのオムツを持ち帰らなければならない、急な延長保育に対応してもらえない。こうした負担の多い保育園がたくさん存在すると書かれています。

思い当たる方も多いのではないでしょうか。これらは一つひとつは小さなことでも、毎日、毎週積み重なれば決して軽くありません。園がこの現実を見て見ぬふりせず、はっきり言葉にしているところに、負担を減らそうとする本気度がうかがえます。問題を認識していなければ、解決の工夫も生まれないからです。

持ち物を最低限にするという発想

負担軽減の中心にあるのが、必要な持ち物を最低限にするという方針です。こどもの森グループでは、お昼寝用の布団またはコットを園で用意し、その洗濯や洗浄、消毒をすべて園で行っているとされています。そのため、週末に大きな荷物を持ち帰る必要がないと説明されています。

布団の持ち帰りは、共働き家庭にとって地味に重い負担です。金曜の夕方、子どもを抱えながらかさばる布団を運び、週末に洗って干して、月曜の朝にまた運ぶ。この一連の作業がなくなるだけでも、週末の空気はずいぶん変わります。さらに、乳児のエプロンやお口拭きタオルも園で用意しているとされ、毎日の細々とした準備も減ります。持ち物が減るということは、朝のあわただしい時間に忘れ物を心配する回数が減るということでもあります。

使用済みオムツを持ち帰らないという配慮

持ち物の話と並んで印象的だったのが、オムツも園で廃棄しているという点です。

使用済みのオムツを持ち帰る運用は、いまだに少なくない園で見られます。仕事帰りの荷物に一日分の使用済みオムツが加わることを、負担というより当たり前だと受け止めてきた保護者も多いかもしれません。しかし、衛生面でも気持ちの面でも、これがなくなる意味は小さくありません。園で廃棄まで引き受けるという判断は、保護者の一日の終わりを少し軽くする、具体的で分かりやすい配慮だと感じます。

こうした持ち物やオムツをめぐる工夫は、いずれも派手さはありません。けれども、毎日必ず発生する作業を園の側が引き受けるという点で、負担軽減の実感に直結する部分だと思います。

急な残業にもできる限り応える

働いていれば、どうしても避けられないのが急な残業です。予定していなかった打ち合わせが入る、トラブルで帰れなくなる。そんなとき、お迎えの時間が迫るプレッシャーは相当なものです。

こどもの森グループでは、保護者の仕事をしっかり支援できるよう、できる限り急な残業にも対応して子どもを預かるとしています。ここで注目したいのは、できる限りという言葉です。何があっても必ず対応すると言い切るのではなく、現実的にできる範囲で応えようとする姿勢が示されています。過度な約束をしないぶん、かえって信頼が置けるとも言えます。急なときに融通してもらえる余地があるかどうかは、働く親にとって園を選ぶ際の切実な判断材料になります。

行事を土日や夕方に寄せるという工夫

負担軽減は、日々の持ち物だけの話ではありません。行事のあり方にも表れています。こどもの森グループでは、保育参観や運動会など保護者が参加できる行事を、比較的多くの人が参加しやすいように原則として土日や夕方に実施しているとされています。

平日昼間の行事は、仕事を持つ保護者にとって参加のハードルが高いものです。そのたびに休暇を取るのは簡単ではなく、参加できないことに引け目を感じる方もいます。行事を土日や夕方に寄せるという工夫は、より多くの家庭が子どもの晴れ姿に立ち会えるようにという配慮です。行事のクオリティが高いと保護者から好評を得ているという説明もあり、参加しやすさと内容の充実を両立させようとしている様子がうかがえます。

負担を減らすことで生まれる「ファミリータイム」

こうした一つひとつの工夫を、こどもの森グループはファミリータイムという言葉で束ねています。忙しい保護者が少しでも子どもと触れ合う時間をつくれるように、また準備の時間を減らすことで心の休息を取れるように、園生活の持ち物負担をできる限り軽くしている、という考え方です。

ここに、この園の負担軽減の思想がよく表れていると思います。持ち物を減らすこと自体が目的なのではなく、その先にある家族の時間を守ることが目的だという整理です。布団を洗う時間、オムツを捨てに行く手間、行事のための休暇調整。それらが減ったぶんだけ、子どもと過ごす時間や、親自身が一息つく時間が生まれます。負担を引き算することが、家族の時間を足し算することにつながっているわけです。

園えらびで保育の質や立地を重視するのは当然ですが、そこに毎日の負担がどれだけ軽いかという視点を加えてみると、通い始めてからの暮らしがずいぶん具体的に見えてきます。パンフレットの理念だけでなく、布団はどうするのか、オムツは持ち帰るのか、行事はいつあるのか。そうした地に足のついた問いを見学のときに投げかけてみることが、働きながら子どもを育てる日々を無理なく続けるための、案外大切な準備になるのではないでしょうか。

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